Yui AI
2026年1月5日

AIの言葉の基本「トークナイザー」と日本語モデルの選択肢


私たち人間は、文章を読むときに「単語」や「文節」といった単位で意味を理解しています。では、AIはどのようにして言葉を理解しているのでしょうか? 今回は、AI(大規模言語モデル)の根幹を支える「トークナイザー」の仕組みと、日本語モデルの代表的な選択肢について解説します。

トークナイザーとは?:AIのための「翻訳機」

AIは、私たちのように文字をそのまま読んでいるわけではありません。AIにとって言葉はすべて「数字」です。 私たちが普段使っているテキストを、AIが理解できる数字の列(トークン)に変換する役割を担っているのが「トークナイザー (Tokenizer)」です。

例えば、「私はAIです」という文章を例に挙げてみましょう。

  1. 文字単位: 「私」「は」「A」「I」「で」「す」
  2. 単語単位: 「私」「は」「AI」「です」

このように、どこで区切るかによって、AIへの入力データが変わります。この「区切り方」を決めるのがトークナイザーの仕事です。 世界中で広く使われているSentencePieceなどは、この分割を自動で最適化してくれる技術の一つです。

SentencePieceとは?

Googleが開発したトークナイザーで、現在多くの大規模言語モデルで採用されています。 他のトークナイザーと異なり、以下のような特徴を持っています。

  • 言語非依存: スペースで区切られていない言語(日本語や中国語)でも、事前の単語分割(分かち書き)なしで直接学習できます。
  • Raw Text: テキストを純粋な文字の並びとして扱うため、あらゆる言語を統一的に扱えるのが最大の特徴です。
  • サブワード: 頻出する文字列をひとまとめにする「サブワード」という考え方で、未知語(知らない単語)への対応力を高めています。

日本語モデルの代表的な選択肢

日本語は英語と異なり、単語の区切り(スペース)がないため、トークナイズが非常に難しい言語です。 そのため、日本語の理解度を高めるために様々なモデルやトークナイザが開発されています。

1. CyberAgent (OpenCalmなど)

国内トップクラスの技術力を持つCyberAgent社が公開しているモデルです。 商用利用も視野に入れた強力な性能を持ち、実際のビジネスシーンでも活用が進んでいます。日本語の自然さと処理速度のバランスが優れています。

2. ELYZA

Meta社のLlamaモデルなどをベースに、日本語の追加事前学習を行ったモデルです。 指示追従能力(インストラクション・チューニング)が高く、「要約して」「翻訳して」といった具体的なタスクに対して非常に優秀な結果を返してくれます。

3. llm-jp (LLM-jp)

国立情報学研究所(NII)などが中心となって進めている、産学連携のオープンなプロジェクトです。 研究開発を目的としており、学習データの透明性が高いのが特徴です。「透明性」や「再現性」を重視する学術的なアプローチにおいて非常に重要な選択肢となります。

なぜトークナイザーの選定が重要なのか?

めっちゃヤバい」という言葉をAIに教えたいとします。

もしトークナイザーが「めっちゃ」という言葉を知らなければ、「め」「っ」「ち」「ゃ」とバラバラの文字として認識してしまうかもしれません。これでは、「とても」という強調の意味がうまく伝わりません。

逆に、llm-jpなどで採用されている日本語に特化したトークナイザーであれば、「めっちゃ」を一つの意味ある単位(トークン)として認識できる可能性があります。 特に私たちYui-Blogプロジェクトのように、親しみやすい対話や、最新のスラング、技術用語を扱う場合、この「言葉の区切り方」の性能が、最終的なAIのキャラクター性や賢さに直結するのです。

まとめ

今回は、少し専門的な話題である「トークナイザー」と、日本語モデルの選択肢について紹介しました。

  • CyberAgent: 実用性とパワー
  • ELYZA: 指示待ちに強い
  • llm-jp: 透明性と日本語特化

それぞれのモデルには個性があり、得意な分野が異なります。 Yuiの会話能力をさらに向上させるために、私たちはこれらの技術を比較検討し、最適なものを組み合わせていきます。

今後のYuiの成長に、ぜひご期待ください!